
介護という仕事にどのようなイメージをお持ちですか。
“きつい、汚い、給料が安い”の3K と言われることがあります。
それを聞いて、介護の仕事を選択肢に入れることをためらう人もいるかもしれません。
仕事の忙しさやネガティブな面が話題になることも多く、介護という業界全体を、ブラックな業界だと誤解されることもあります。
ですが、実際に介護の業界で働いている人たちの声を聞いてみると、前向きな声も多くあります。
この記事では、介護という仕事のやりがいや魅力に焦点を当てて、介護を考えていきます。
介護という仕事には魅力がたくさんあります。この記事では、介護の魅力を5つ厳選してご紹介します。
介護ってどんな仕事?
介護の仕事で求められること
介護って、どんな仕事でしょうか。
おむつをかえる、ご飯を食べさせる、お風呂に入れる、着替えを手伝う。
そんなシーンを思い浮かべる人が多いと思います。
確かにそれも、介護の仕事のひとつです。
しかし、介護の仕事の根幹は以下のようなことです。
自立支援
自立支援とは、介護が必要な方の身の回りのお世話をするだけではなく、その方の能力に応じて自立した生活ができるように支援・介護することです。基本となるのは、日常生活場面において、できる部分は本人にしてもらい、できない部分を介護職員がサポートするという考え方です。
介護保険制度
高齢者の介護は、社会全体で支え合う仕組みで成り立っています。ご利用者の選択により、多様なサービスを総合的に受けることができます。高齢者自身がサービスを選択して利用でき、介護職員は高齢者の自立を助けるということが重要です。
介護の仕事の魅力とは
介護という仕事には、たくさんの魅力があります。
介護の魅力を5つ厳選してご紹介します。
魅力1 たくさんの笑顔や「ありがとう」に出会うことができる

介護の仕事では、ご利用者やそのご家族と直接関わる機会が多いです。
ご利用者や家族の笑顔を見れたり、直接「ありがとう」と感謝の言葉をかけていただける場面がたくさんあります。
誰かの役に立っていると実感をしやすい仕事です。
魅力2 キャリアアップがしやすい
介護の仕事を無資格・未経験で始めている人も多いです。
介護の業界には様々な資格がありますが、働きながら資格を取得することで、ステップアップに繋がります。
資格保有者には、各種資格手当がつくことも多く、給料のアップが見込めます。しかも会社によっては、資格取得の費用を負担してくれたり、資格取得を支援してくれるところも多いです。
特に、介護福祉士、介護支援専門員(ケアマネジャー)、社会福祉士、認知症ケア専門士等の資格を取得すると、より一層有利になります。
2024年4月以降、無資格で認知症ケアに携わる介護職員の認知症介護基礎研修の受講が義務付けられました。
参考
認知症介護基礎研修受講義務付けの効果/厚生労働省
認知症介護基礎研修とは/認知症介護基礎研修eラーニング
介護の業界は女性の方が多いです。職種や職場によって多少の違いはありますが、女性であることがキャリアアップの弊害になることが少ないです。
キャリアアップを目指す女性にとっては、魅力的な仕事でしょう。
もちろん男性も活躍できます。介護は体力や力を必要とする場面も多いです。男性のご利用者の対応は、男性の方が都合が良い場合もあります。
さらに、介護の業界では年齢がハンデになることも少ないです。介護の業界では、幅広い年代の方々が働いています。60歳代の介護職員も珍しくはありません。また、心身が健康であれば、70歳代でも働いている人もいます。
実際に私の知り合いで、77歳の介護職員もいます。その方は「80歳まで元気に働くぞ!」なんて言ってましたよ。とても素敵なことだと思います。
介護の業界では、年齢を問わず活躍できます。
魅力3 人生の大先輩からの学びがたくさんある

ご利用者の多くは、介護職員にとって、人生の大先輩です。私たちが知らない時代を懸命に生きてこられた人生の大先輩方からのお話はとても貴重なものだと感じています。
介護職員は、ご利用者のサポートをしますが、ご利用者から学ばせていただくことはたくさんあります。お金には変えられない貴重な財産になります。
「高齢者と話してもつまらない」と、介護の仕事を敬遠する方もいるかもしれませんが、ご利用者と過ごせる時間は、とても尊いものだと思います。
ご利用者は、長い人生の中で、様々な経験をされています。
結婚、出産、子育て、仕事、死別、お金の苦労、自分の老い、喜びや悩み、成功や失敗、様々な経験を乗り越えて今に至っているからこそ、小さなことでは動じない大らかさや、優しさがあります。
もちろん、ご利用者にも様々な方がいます。全てのご利用者が大らかで、優しいとは限らないですし、対応が大変な場面もたくさんあります。
でも、実際に介護の仕事をしてみて、たくさんのご利用者と関わると、大らかな高齢者の多さに驚きます。
そんな人生の大先輩の心に触れることは、他の仕事では味わえない学びになります。ぜひこの喜びの瞬間を味わってほしいと思います。
魅力4 実は働きやすくて自由がきく
『介護の仕事は忙しそう』『夜勤があって、長時間労働が大変そう』そんなイメージをお持ちの方もいるでしょう。しかし、実はそうでもありません。
介護の仕事には、様々な職場があります。デイサービス等に勤務すれば、基本的に夜勤はありませんし、24時間稼働している特別養護老人ホーム等でも、日中だけ働くという働き方も可能です。
逆に夜勤をすることで、夜勤手当をもらえるので、夜勤専属でお金を貯めようという働き方をする人もいます。
シフト制で働くことで、平日の混雑しない日にお出かけをすることもできます。
お子さんがいるご家庭では、パートで働ける職場がたくさんあることも魅力的です。
介護の仕事は、働きやすくて、自由がきく仕事なのです。
魅力5 職を失うリスクが低く、安定している

超高齢社会の日本では、介護の需要は高く、社会情勢に左右されにくい仕事である為、安定した仕事であると言えます。
介護の仕事は、住む場所に関わらず、人が暮らす場所ならどこでも需要があります。その為、どこに住んでいても職探しに困ることは少ないです。
仮に、勤務している会社が何かの理由で倒産したとしても、介護の経験を活かして、転職することも可能です。
特に、資格を持ってさえいれば、どんな場所でも求人はたくさんあります。
介護のやりがいや、魅力まとめ
介護の仕事のやりがいや魅力について書かせていただきました。働きやすさや将来性だけではなく、やりがいや魅力もたくさんある介護のお仕事、ぜひ選択肢の一つとして、考えていただきたいです。
介護に向いている人、向いていない人
補足として、介護の仕事が向いている人、向いていない人について簡単に触れておきます。興味があれば、参考にしてみてください。
介護の仕事が向いている人

簡単にいうと、介護の仕事の魅力に共感できる人が、介護の仕事に向いている人だと思いますが、改めて、整理しながら説明します。
人と話すことが好きな人
介護の仕事で、重要なもののひとつはコミュニケーションです。人と話すことが好きな人はとても向いていると思います。
ご利用者やご家族と話す場面が多々あります。
また、介護の現場はチームです。介護職だけでなく、看護師や相談員、医師等、他職種との連携が必要です。
そのため、人と話すことが好きな人、コミュニケーションが得意な人には向いている仕事です。
向上心がある人
介護の仕事は、無資格・未経験で始めている人も多いです。
働くうちに、様々な悩みに直面します。知識や経験を積み重ねていくことで、いろいろな悩みが解決していきます。
また、介護の仕事は、キャリアアップの制度が整っているため、向上心がある人は、確実にキャリアアップできます。
誰かの役に立ちたい人
人の役に立つことにやりがいを感じる人は、介護の仕事が魅力的に感じるでしょう。
世の中の仕事は、どれも人の役に立つ仕事だとは思いますが、介護の仕事は、直接感謝の言葉をかけてもらえる機会も多く、人の役に立っていることがより実感できる仕事だと思います。
介護の仕事が向いていない人

介護の仕事には、働きやすさ、将来性等たくさんの魅力がありますが、残縁ながら、不向きな人もいます。介護の仕事は、大切な人の命に関わる仕事です。それを理解していないと、ご利用者やご家族、あなた自身も不幸になってしまう可能性がありますので、慎重に検討することをお勧めします。
人と話さず、黙々と働きたい人
介護の仕事は、多くの人と関わります。コミュニケーションは必須です。
また、介護の現場では、日々想定外なことが起こります。臨機応変な対応も求められます。
なるべく人と接することなく、同じ作業を繰り返したい人にとっては、不向きな仕事かもしれません。
自分のペースで仕事をしたい人
介護の仕事は、ご利用者主体でのケアが基本です。ご利用者の意思や、体調に配慮しながら、ご利用者に合わせてケアを行います。
効率的に仕事をすることが難しい場面が多々あります。介護職員の思うように仕事を進められないこともあります。
このような場面を想像したとき、我慢ができない人には不向きな仕事です。
極度に潔癖な人
介護の現場は、ご利用者の生活の場なので、排泄物や嘔吐物の処理をしなければならない場面もあります。
また、身体介護で、ご利用者の身体に触れる場面もあります。
これらに抵抗を感じる人にとっては、とてもストレスの多い仕事になってしまいます。
やりがいを感じなくなったとき

いくらやりがいがあって、魅力的な仕事でも、働いていると、悩みや不安が出てきます。
やりがいを感じなくなる原因
介護の仕事で、やりがいを感じなくなる原因は様々です。
人間関係や人手不足、賃金への不満等、悩みは人それぞれです。
やりがいを感じなくなったときにどうしたら良いのか
何かに悩んでやりがいを感じづらくなったときは、自分が介護の仕事を選んだ理由やきっかけ、やりがいを感じた場面を振り返ってみてください。
それとは別に、不安なことや不満なに思うことを整理して解決策を考えてみましょう。
例えば、介護の仕事自体は好きだけど、賃金に不満があるのであれば、資格取得等、賃金を上げる工夫を考えることができます。
人間関係の悩みで、今の職場では、どうしても解決が難しい場合、転職を考えるのもひとつの手段です。
いずれにしても、自分のやりがいや、不安や不満に対する整理ができないと、正しい解決方法には辿りつけません。
誰かに相談することで解決策が見えてくるかもしれません。


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