介護の仕事をしていると、専門的な用語が使われている場面が多々あります。
この記事では、介護の現場でよく使われている略語や専門用語をまとめてみました。
筆者:たかはしポム太郎
資格:介護福祉士、介護支援専門員、認知症ケア専門士、キャラバン・メイト、登録販売者、チームオレンジコーディネーター研修修了、ユニットリーダー研修修了、認知症チームケア推進研修修了、認知症介護実践リーダー研修修了
私は介護の現場で働きながら、介護や認知症の研修を開催や、情報発信をしています。10年間の介護現場での経験、資格取得等で培った知識を発信していきます。介護や認知症について不安を抱いている方々に役立つ情報をお届けできればと思っております。少しでも不安が解消され、今抱えているお悩みに寄り添えたら嬉しいです。
介護の現場でよく使われる専門用語

普段何気なく使っているけど、意味がわからない用語はありませんか。
すでに知っている用語もたくさんあると思いますが、一度振り返ってみると面白いですよ。
この記事を読んで、ぜひ、知識として身につけてください。
職種を表す用語
| 用語 | 意味 | 
|---|---|
| CM | ケアマネジャー(介護支援専門員) | 
| PT | 理学療法士 | 
| OT | 作業療法士 | 
| ST | 言語聴覚士 | 
| SW | ソーシャルワーカー(生活相談員) | 
| NS | 看護師 | 
| CN | 認定看護師 | 
| Dr | 医師 | 
| RD | 管理栄養士 | 
| PSW | 精神保健福祉士 | 
| DH | 歯科衛生士 | 
| Ph | 薬剤師 | 
| Fa | 家族 | 
介護サービスの用語
| 用語 | 意味 | 
|---|---|
| 特養 | 特別養護老人ホーム | 
| 老健 | 介護老人保険施設 | 
| サ高住 | サービス付き高齢者向け住宅 | 
| GH | グループホーム(認知症対応型共同生活介護) | 
| 包括 | 地域包括支援センター | 
| 小多機 | 小規模多機能型居宅介護 | 
| SS | ショートステイ(短期入所療養介護) | 
| 訪問 | 訪問介護 | 
| 有料 | 有料老人ホーム | 
| デイ | デイサービス(通所介護) | 
介護現場でよく使われる用語
バイタルサイン
| 用語 | 意味/説明 | 
|---|---|
| VS | バイタルサイン。生命の兆候。 | 
| KT | 体温。正常値は、腋窩体温で 36~37℃。 | 
| BP | 血圧。正常値は、最高血圧130mmHg未満、最低血圧85mmHg。 | 
| R | 呼吸。正常値は、1分間に12~20回。 | 
| P | 脈拍。正常値は、1分間に60~90程度。 | 
| 徐脈 | 心拍数が1分間に50未満の状態。 | 
| 頻脈 | 心拍数が1分間に100以上の状態。 | 
| SPO2 | パルスオキシメーターを使用して、動脈血中の酸素と結合しているヘモグロビンの割合を測定した値。 | 
| HT | ハイパーテンション。高血圧。 | 
生活に関連した用語
| 用語 | 意味/説明 | 
|---|---|
| ADL | 日常生活動作。歩行や食事、排泄等。 | 
| IADL | 手段的日常生活動作。金銭の管理や洗濯等。 | 
| QOL | クオリティ・オブ・ライフ。生活の質。 | 
| トランス | 移乗介助 | 
| 仰臥位(ぎょうがい) | 仰向けの状態 | 
| 側臥位(そくがい) | 横を向いて寝た姿勢 | 
| 端坐位 | ベッド等の横に足を下ろし座った体位。 | 
| ボディメカニクス | 力学的原理を活用した介護の方法。最小の力でおこなうあため、疲労が少なく、腰痛予防にもつながる。 | 
| HP | 病院 | 
| INT | 入院すること。 | 
| ENT | 退院すること。 | 
| サクション | 吸引。 痰が絡んで吐き出せない場合や気管に物を詰まらせてしまった場合に、口や鼻からチューブを挿入し器械で痰などを吸引すること。 | 
| 患側 | 障害がある側 | 
| 健側 | 障害を受けていない側 | 
| IC | インフォームド・コンセント。説明と同意。 | 
| アセスメント | 利用者が抱える問題点や優先度を判定し、看護ケアの方向性を明確化すること。 | 
| ICT | 人と人をつなぐ、情報を共有する技術。具体的には、パソコンやスマートフォンのアプリを利用して行うオンライン診療等。 | 
| フェイスシート | 個別援助における利用者の情報を記載する記録用紙のこと。 | 
排泄に関連した用語
| 用語 | 意味/説明 | 
|---|---|
| GE | グリセリン浣腸液。肛門や直腸を刺激し排便を促す。 | 
| Pトイレ | ポータブルトイレ | 
| Hr(ハルン) | 尿 | 
| Kot(コート) | 便 | 
| 摘便 | 肛門から指を入れて便を摘出する医療行為。 | 
| 導尿 | カテーテルを尿道口に入れ、尿を排泄させる方法。 | 
| ストマ | 人工肛門。腸管を腹部の表面に直接出して、排泄口にしたもの。 | 
| 陰洗 | 陰部洗浄 | 
| バルーン | バルーンカテーテル | 
| 血便 | 血液が混ざった便。 | 
| 下血 | 疾患により消化管内に出た血液が肛門から出ること。 | 
| 血尿 | 腎臓・膀胱・尿道等の部位からの出血により、尿に血液が混じって濁ること。 | 
| 頻尿 | 排尿回数の異常な増加をきたす状態。 | 
| 多尿 | 1日の尿量が3000mlを超える状態。 | 
| 無尿 | 1日の尿量が100ml以下で、膀胱に尿が溜まらない状態。 | 
| 乏尿 | 1日の尿量が400ml以下で、排泄する尿が著しく少ない状態。 | 
病気・症状に関連した用語
| 用語 | 意味/説明 | 
|---|---|
| ALS | 筋萎縮性側索硬化症 | 
| イレウス | 腸閉塞 | 
| DM | 糖尿病 | 
| COPD | 慢性閉塞性肺疾患 | 
| CPA | 心肺停止状態 | 
| 蜂窩織炎(ほうかしきえん) | 高齢者に多く、皮膚の感染症で皮膚の腫れや赤み、熱が出るなどの症状がある。 | 
| 廃用症候群 | 心身の不活動により、機能が低下し状態。生活不活発病とも呼ばれる。 | 
| チアノーゼ | 肺もしくは心臓の機能不全による循環障害により、瞼や唇、手足の爪等、皮膚が紫藍色または暗青色になること。 | 
| コアグラ | 血塊。血液が固まったもの。 | 
| 脱水 | 体内の水分が喪失される時に電解質も喪失し、口渇や発熱、痙攣、昏睡等の症状が起こる。 | 
| 水疱 | 水ぶくれ。隆起した液体の詰まった気泡で覆われた皮膚の部分。 | 
| 褥瘡(じょくそう) | 床ずれとも呼ばれる。長時間皮膚が圧迫されること等により、血流が低下し、赤くなったりする。 | 
| エデム/エデーマ | 浮腫のこと。皮下に組織間液が貯留すること。 | 
| Fx | 骨折 | 
| 腫脹(しゅちょう) | 炎症等が原因で体の組織や器管の一部が腫れ上がること。 | 
| 半側空間無視 | 損傷した大脳の部位と反対側の刺激に反応せず、注視した空間の半側に注意を向けたりできない症状。 | 
| 拘縮 | 関節動かさないために、次第に関節の動く範囲が狭くなった状態。 | 
認知症関連の用語
| 用語 | 意味/説明 | 
|---|---|
| dementia | 認知症 | 
| AD | アルツハイマー型認知症 | 
| DLB | レビー小体型認知症 | 
| VaD | 脳血管性認知症 | 
| FTLD | 前頭側頭型認知症 | 
| MCI | 軽度認知症 | 
| 中核症状 | 脳の異常により、直接起こる症状。具体的な症状は、記憶障害、見当識障害、理解・判断力の低下、実行機能障害、失語、失認、失行がある。 | 
| BPSD | 行動・心理症状。認知症の中核症状に、周囲の環境や対応、本人の性格等が影響して、2次的に起こる症状。具体的な症状には、徘徊、暴言、暴力等がある。 | 
| パーソン・センタード・ケア | 認知症になってもその人らしさを維持できるように、認知症の人を尊重し、相手の立場に立ってケアを行うこと。 | 
| HDS-R | 改定長谷川式簡易知能評価スケール。9項目の設問で構成される。満点は30点。 | 
| MMSE | 認知機能検査。11項目の設問で構成され、満点は30点。 | 
| フレイル | 加齢とともに心身の活力が低下し、生活機能が障害され、心身の脆弱性が出現した状態で、健康な状態と日常生活でサポートが必要な介護状態の中間を意味する。 | 
| ノーマライゼーション | 障がいの有無に関わらず、全ての人が平等に、自立した生活や社会活動を営むことで可能にすること。 | 
認知症におすすめの記事:もしも、大切な人が認知症になったら。
BPSDについておすすめの記事:行動・心理症状(BPSD)って何?わかりやすく解説!
薬剤関連の用語
| VDS | 就寝前薬 | 
| カマ | 酸化マグネシウム | 
| T | 錠剤 | 
| サポ | 坐薬 | 
| Cap | カプセル | 
| od錠 | 口腔内崩壊錠 | 
| プラセボ | 偽薬。偽薬を処方しても、薬だと信じ込むことによって何らかの改善がみられるという治療効果のこと。 | 
| ポリファーマシー | 害のある多剤服用を意味する言葉。薬による有害事象は処方された薬の数に比例するとされ、薬の数が 6 種類を超えると発生頻度が大きく増加するといわれている。 | 
その他覚えておきたい用語
| ジャパン・コーマ・スケール | 3・3・9度方式とも呼ぶ。脳血管障害や頭部外傷の急性期にある意識障害患者の意識レベル。 | 
| AED | 自動体外式除細動器。心室細動の際に、機器が自動的に解析を行い、必要に応じて電気ショックを与え、心臓の動きを戻すことを試みる医療機器。 | 
| BLS | 一次救命処置。急に倒れたり、窒息した人に対して、その場に居合わせた人が、救急隊や医師に引き継ぐまでの間に行う応急処置のこと。 | 
| ACLS | 二次救命処置。気管内挿管、薬剤といった高度な心肺蘇生法を示すが、心肺停止のみならず、重症不整脈、急性冠症候群、急性虚血性脳卒中の初期治療までを含む。 | 
| CPR | 心肺蘇生法。 | 
| BMI | ボディマス指数。肥満度を表す指標。ふつう(BMI-18.5 以上 25 未満)肥満(BMI-30 以上)やせ(BMI-18.5 未満)。計算式 BMI=体重 kg÷(身長 m)2 適正体重=(身長 m)2×22。 | 
| スキンテア | ベッド柵にぶつける等の物理的な外力によって起こる皮膚裂傷。 | 
| カンファ | 打ち合わせや会議のこと。 | 
| サマリー | 文章の重要な部分を簡潔にまとめて表現すること。看護サマリー等。 | 
| ICF | 国際障害分類。人が生きていくための機能を「生活機能」とし、生活機能に影響する要因として「疾患」(健康状態)に加え「背景因子」(環境因子)と「個人因子」との相互作用としてとらえる。 | 
| FIM(フィム) | 日常生活の尺度(機能的自立度評価法)している ADL の評価法。 | 
| SOAP(ソープ) | 医療機関における看護記録をするための記入形式。「Subject(主観的情報)」「Object(客観的情報)」「Assessment(評価)」「Plan(計画)」。 | 
| MRI | 核磁気共鳴画像法。強い磁石と電波を使って体の内部の状態を検査する方法。 | 
| PEG | 胃ろう(経皮内視鏡的胃瘻造設術)。経口摂取が困難な患者に対し、体外から胃に繋がる穴をあけてチューブを留置し、栄養剤や水分を直接投与する栄養補給方法。 | 
| ミルキング | ドレーンの中に溜った排液を手でもんだり、専用のローラーを用いて流す作業。 | 
| グリーフケア | 身近な人と死別を経験し、悲嘆にくれる人のそばで悲しみながら立ち直れるように支援すること。遺族ケアとも呼ばれる。 | 
| レスパイトケア | 介護者の疲労やストレス軽減を目的とし、介護を一時的に担う家族支援。 | 
まとめ
今回は介護の現場でよく使われている略語や専門用語をまとめてみました。
職場によって使い方が違ったり、職場独自の略語もあるかもしれません。
何か面白い用語等あれば、コメントで教えてください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
  
  
  
  

コメント