2025年度/第28回“介護支援専門員実務研修受講試験(通称:ケアマネ試験)”は、2025年10月12日(日)に実施されます。この記事では、筆者の経験と最新の情報を交えて、試験の概要や受験資格、合格ライン、おすすめの教材等をご紹介します。第28回ケアマネ試験の受験をお考えの方は、ぜひチェックしてみてください。
筆者:たかはしポム太郎
資格:介護福祉士、介護支援専門員、認知症ケア専門士、キャラバン・メイト、登録販売者、チームオレンジコーディネーター研修修了、ユニットリーダー研修修了、認知症チームケア推進研修修了、認知症介護実践リーダー研修修了
私は介護の現場で働きながら、介護や認知症の研修を開催や、情報発信をしています。10年間の介護現場での経験、資格取得等で培った知識を発信していきます。介護や認知症について不安を抱いている方々に役立つ情報をお届けできればと思っております。少しでも不安が解消され、今抱えているお悩みに寄り添えたら嬉しいです。
介護支援専門員(ケアマネジャー)試験
試験の概要
介護支援専門員(ケアマネジャー)は、ケアプランの作成やサービス事業者との調整など、利用者にとって最適な介護サービスを提供するトータルコーディネーターとして、介護保険制度の中心的な役割を担う業界における非常に重要な専門職です。
ケアマネジャーになるためには、勤務先(または住居地)の都道府県で年に1回実施される“介護支援専門員実務研修受講試験(通称:ケアマネ試験)”に合格し、実務研修修了後に各都道府県に登録する必要があります。
2000年4月の介護保険制度導入に伴い創設された各都道府県知事の登録を受ける公的資格です。
特定の国家資格を保有し、実務経験が5年以上かつ従事日数が900日以上など、細かく受験資格の条件が設けられています。また、資質と深い経験が求められるだけでなく、高齢者の心と身体についての知識や、介護保険に関わる法律や制度に関する知識も問われるため、比較的難易度の高い資格といえます。
受験資格
特定の国家資格を有している方
下記の国家資格を保有し、これらの国家資格に基づく業務の実務経験が通算5年以上、かつ従事した日数が900日以上であれば受験資格を得られます。
医師、歯科医師、薬剤師、保健師、助産師、看護師、准看護師、理学療法士、作業療法士、社会福祉士、介護福祉士、視能訓練士、義肢装具士、歯科衛生士、言語聴覚士、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師、栄養士(管理栄養士含む)、精神保健福祉士
相談援助業務などに従事している方
下記に定める相談援助に従事し、当該業務に通算して5年以上、かつ従事した日数が900日以上であれば受験資格を得られます。
生活相談員、支援相談員、相談支援専門員、主任相談支援員
これらの実務経験については、申込時に勤務証明書などで証明する必要があります。受験資格の確認は非常に重要ですので、事前にしっかりと確認しておきましょう。各都道府県において若干異なる場合があるため、受験資格の詳細は受験地の担当部署に確認してください。
受験申し込み方法
受験申込みは、各都道府県の試験実施機関が窓口となります。具体的な流れとしては、各都道府県の窓口やホームページなどで「受験の手引き」を取り寄せ、その中に記載されている方法に従って申し込みを行います。
申込書類の提出方法は、都道府県によって異なる場合があります。郵送以外にもオンライン申請や窓口提出が認められている場合もあります。事前に確認し、早めに準備を始めましょう。
受験申し込み期間
6月〜7月 ※申し込み期間は都道府県により異なる。
申し込み期間は都道府県によって若干異なりますので、受験を希望する都道府県の試験実施要項を必ず確認しましょう。
申し込み締切後の提出は、一切認められないため、早めの対応が大切です。
試験内容
ケアマネ試験は、マークシート方式の筆記試験のみで、論述や口述試験はありません。出題形式は、5つの選択肢から複数回答する五肢複択方式を採用しています。試験科目は以下の2分野です。
1. 介護支援分野(25問)
2. 保健医療福祉サービス分野(35問)
試験時間は120分で、配点は1問1点の60点満点です。全体的に幅広い知識が問われるため、単なる暗記だけでは太刀打ちできません。実務経験をベースに、理論をしっかりと理解することが求められます。
試験会場
試験会場は、各都道府県が指定した会場にて実施されます。通常、県庁所在地にある大学や専門学校などが使われることが多いです。試験当日は、受験票に記載された会場に時間厳守で集合する必要があります。
また、公共交通機関でのアクセスを前提に設定されている場合が多いため、事前にルートや交通手段を確認しておくと安心です。
受験手数料
受験手数料は都道府県によって差がありますが、概ね9,000円〜13,000円が相場です。支払い方法も、郵便振替やコンビニ払いなどが指定されていることが多いため、試験の手引きに従って期限内に手続きを行いましょう。
合格発表
合格発表は例年12月上旬〜中旬に実施されます。合格者には郵送で通知が届くほか、各都道府県のホームページ上でも受験番号が掲載されます。
合格した場合、その後「介護支援専門員実務研修」を受講し、修了することで、ようやくケアマネジャーとしての登録が可能になります。
合格基準
ケアマネ試験の合格基準は「総得点60点中、概ね正答率70%以上かつ、両分野で一定の点数を取ること」が条件とされています。つまり、合計点だけでなく、分野ごとの基準点を下回ると不合格になります。
その年の問題の難易度によって基準点は調整されることもあるため、常に高得点を目指すつもりで学習しておくと安心です。
過去の合格ライン
介護支援分野 | 保健医療福祉分野 | 合格基準 | |
---|---|---|---|
第27回 (2024年度) | 18点 正答率:72.0% | 25点 正答率:71.4% | 71.7% |
第26回 (2023年度) | 17点 正答率:68.0% | 24点 正答率:68.6% | 68.3% |
第25回 (2022年度) | 18点 正答率:72.0% | 26点 正答率:74.3% | 73.3% |
第24回 (2021年度) | 14点 正答率:56.0% | 25点 正答率:71.4% | 65.0% |
第23回 (2020年度) | 13点 正答率:52.0% | 22点 正答率:62.9% | 58.3% |
効果的な勉強法

自分に合うテキストを見つける
筆者はこの方法で合格することができました。まずは書店に行って実際に中身を確認して、自分に合いそうなテキストを探してみてください。ネットで探すのも良いでしょう。イラストや図解が多いものがおすすめです。
自分に合う1冊を見つけて、その1冊をとにかく読み込むことがベストだと思います。試験対策用のテキストを活用することで、効率良く学習を進めることができます。
過去問を活用する
過去問の活用はケアマネ試験対策において最重要ポイントです。特に近年の出題傾向に沿った問題を繰り返し解き、問題の傾向や、出題形式に慣れることで、本番での対応力が向上します。
解説が詳しい問題集を選ぶことで、ただ解くだけでなく「なぜその答えになるのか」を理解することができ、実践力がつきます。
スキマ時間を活用する
仕事や家事で忙しい方は、通勤時間や休憩時間などのスキマ時間の活用が効果的です。
通勤中、家事の合間、休憩時間など、5分〜10分の時間でも、スマホアプリや一問一答形式の教材を使えば、短時間でも効率的に学習できます。
毎日の積み重ねが大きな成果につながります。
YouTubeで学ぶ
最近では、ケアマネ試験対策用のYouTubeチャンネルも多数存在します。
視覚と聴覚を使って学べるYouTubeは、理解を深めるのに効果的です。
おすすめの教材
効果的な学習には、信頼できる教材の選定が重要です。以下に、筆者がおすすめする教材をいくつかご紹介します。
勉強スケジュールの立て方

計画的な学習スケジュールを立てることで、効率的に勉強を進めることができます。
試験日から逆算して、4ヶ月前には学習を開始することが理想です。
以下は、筆者がおすすめする学習スケジュールの一例です。
- 5月申し込み
申し込みが開始されたら、すぐに行動しましょう。
教材の決定
試験の全体像、試験範囲等を把握し、使用する教材を決定しましょう。
自分に合いそうなテキスト1冊、過去問題1冊をおすすめします。
- 6月勉強開始
まずはテキストに目を通して、学習のイメージをしてください。
一通り目を通したら、各科目の基礎知識を学習していきましょう。
- 7月テキストをマスター
テキスト1冊の内容を丸暗記するつもりで、1冊を徹底的に読み込みましょう。
暗記の方法は人それぞれです。読み込み、書き込み、どんな方法でも良いので、
1ヶ月間、徹底してテキスト学習に取り組みましょう。
この時期は、1日の学習時間目標を設定するとより効果的に進められます。
(例:1日2時間以上勉強する! 寝る前の1時間勉強する!)
- 8月〜9月過去問
過去問や模擬問題を解き、実践力を養いましょう。
特に間違えた問題の確認を徹底的に行なってください。
- 10月試験直前 最終確認
苦手な分野の復習や、もう一度テキストを見直しましょう。最後の総まとめです。
体調管理もしっかり行いましょう。
試験当日まで、計画的に準備をしておくことで、安心して受験することができます。
毎日コツコツと学習を継続することをおすすめします。
定期的に進捗を確認し、必要に応じてスケジュールを調整しましょう。
終わりに
介護支援専門員の試験は、単なる暗記では太刀打ちできない、非常に専門性の高い国家試験です。
しかし、実務経験がある方にとっては、日々の経験が活かせる内容でもあります。
受験資格の確認や教材の選定、スケジュール管理をしっかり行えば、必ず合格に近づくことができます。合格後には、実務研修を経て、現場で活躍するケアマネジャーとしての新たな一歩が始まります。
目指す未来に向けて、ぜひ一日一歩、着実に前進していってください。
また、体調管理にも気を配り、万全の状態で試験に臨んでください。
皆さんの合格を心より応援しています!
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